読書レポート_三谷/No36
- 2020年01月31日
- 三谷 浩之

『警鐘』 渡邉美樹 著
ワタミの創業者である渡邉会長が政治家を辞めて経営に戻ってからの考えを記した本。社会に出る前から渡邉美樹氏が私の尊敬する人だった。講演も聞きに行ったことがあり、20代の頃は渡邉会長が書いた本を読み漁り、仕事や生き方の参考にし、わずかだがワタミ株も買っていた。政治家に転向されてからは興味がわかなくなってその時期のことはあまり知らず、その間にワタミ自体がブラック企業と叩かれていたのでしばらくは渡邉会長の情報から遠ざかっていた。この度企業経営に戻り本を書かれたようなので久しぶりに手に取った。読んだ感想はやはりこの方は昔と変わらず芯が通っていてぶれない人なんだと感じた。プラザセレクトも理念を軸に経営をして創業期から成長を遂げている。理念を浸透するために社員にずっと語りかけ、明文化し、行動を示し続けることは社長の私としても日々とても大きなエネルギーを費やしている。ワタミで渡邉会長は私よりも長い期間ぶれずにずっとそれをやり続け、会社としては倒産の危機にもあいながらも、今ではホワイト企業に認定され業績も回復されているのはすごいことだ。業績が急落しお金を用意するために事業を売却しても会社はつぶれない、つぶれるのは理念が薄まった時だと本書にも書いている。私もそう思う。言い方は違うが私も社員によく言っている。信用さえあればお金が無くなっても再起できる。しかしお金が残っていても信用が無くなればいつかそのお金も尽きてつぶれる。そして信用を失っている状態では再起はできないと。プラザセレクトの理念を実現するために日々行動を積み上げていれば信用も積み重なると私は信じている。我々の理念はそういうものだ。だから創業時から理念を何よりも重視して経営している。社員数が少ない今でさえも経営者と同じ熱量を全社員まで届かせることは至難の業だ。だからこそ何度も何度も伝え続ける。何度も何度も同じことを言い続ける。これを繰り返す毎日が立派な会社へと成長する道だと信じている。渡邉会長の本を読んでそれが間違いではないことを感じられ、背中を押され、勇気をもらった。