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読書レポート_三谷/No54


『売上最小化、利益最大化の法則』 木下勝寿 著

本書は北の達人コーポレーションの創業社長が書いた本。東証一部上場の企業で営業利益29%を出す超高収益企業。それだけの利益率を出しながらも新卒初任給が日本で2番の高さ。よって人件費を減らして利益を出しているのではなく会社の運営を的確に行うことで利益を出していると言える。本書内で紹介されている利益の出し方や会社の運営方法、広告宣伝などのマーケティングの考え方、社員教育のやり方はとても参考になる。規模の大小にかかわらず、そして業種関わらずに学べることが多い一冊。私が会社を興した時から掲げている永続的な発展を図る企業にするということは木下社長も同様に「経営者の最大の使命は永続的的経営をに力を尽くすこと」とおっしゃられているので自分にとっては心強い。会社は絶対に潰さないために利益は絶対に必要。こちらでは「無収入寿命」を長くすることを最初に考えるべきだと書かれている。無収入寿命とは売上ゼロになっても経営の現状維持ができる期間を示す造語ということなのだが、この期間が長ければ長いほど経営者としては安心感がありいろんなことに挑戦できる余裕も生まれる。そのためにも数字でどれだけの利益を何年蓄積するのか、もしくは長期の借入で手元資金を増やしておくのかという計算が必要。まずは会社が潰れる可能性が最も低くなるような体制を整えることが経営を安全円滑に行う最初の経営者のやるべきことなのだと改めて見直せた。当社も最初は無収入寿命はとても短かったが今では突然売り上げがゼロになっても耐えられるだけの体力は徐々についている。具体的な目標数字を決めて会社の体力を作っていくこと、そしてそれを維持し続けることが私の課題。売上よりも利益が大事だと一貫しておっしゃられており、売上が上がると仕事が増えてリスクが増えるという見方をしている。だからどれだけ売上を減らして利益を最大にするかという着眼点で全てのことの判断がなされている。実際の職場ではとても生産性の高い働き方を従業員みんながしているのだろうと推察される。そのような風土と仕組みを作っているところが経営者の力量としてすごいこと。通常仕事は放っておくと経費が増えて仕事量が増える方向に進んでいく。軸をぶらさない経営は強いと思う。利益に繋がらない仕事を潔く止めて「それは利益に繋がるのか」と問いかけて業務改善を行う。これがうまくまわればとても働きやすい環境ができて物心両面が豊かになるだろう。本書にあることを一つずつ自社と見比べて真似できたり改善できるところを期間を決め一つずつ落とし込んでいく。

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