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読書レポート_藤井/No58


『ブランドはもはや不要になったのか』著  川島蓉子

 

住宅もファッションも日用品もたくさんのブランドが存在しますが、ここ数年で消費者が企業に求めるモノが明確に変わってきたのを実感します。本書ではファッションを中心にその変遷とこれからの社会で企業がブランドをどう扱っていくか?を提起していますが、その中でも消費者が企業に向ける考えの変化に特に学びを感じました。ブランドのロゴを身に纏う、歴史あるブランドを生活の一部にすることが価値だったものが、「この企業はこの商品をどうやって作っているのか」「このブランドに本当に共感できているか」という背景に目を向ける消費者が増えてきたという点に、戸建プラザ、リラスクなどのブランドを扱っている私としても考える部分がありました。選択肢が膨大になった現代において、消費者側が無意識に「自分に本当に必要なものは何か?」と考えていることが分かります。感覚的だった購買の理由が、合理的や実用的な方へ比率を上げるようになってきたのだと思います。数年かけてじわじわと変化した消費者の感情を企業側が理解し、いかにブランド創設時の初心に戻り想いや志を伝達できるかが重要になるのだと気づけました。どんな人がどんな想いで、何を目指して作った商品サービスなのか。この部分さえ揺らがず地道に伝え続ければ、例えブランド名やロゴが無くてもファンはできるのではないかと考えます。ブランドはあくまで手段だということを忘れず、コンセプトや志をコツコツと伝えていくことを続けていきます。

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