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読書レポート_三谷/No46


『1%の努力』 ひろゆき著

誰もが知っている2チャンネルやニコニコ動画を開設した著者。現在はパリに住んでいらっしゃる。とにかくゆるい感じで物事を見ている。一生懸命するなどとは逆で自分のやりたいことだけをして楽に生きていくことを実践している方だ。熱血ビジネスマンからすると真逆の存在。しかし誰もが知るサービスを世の中に生み出したという点を見れば、一生懸命や努力など日本人が美徳とするところが成功要因でないこともわかる。本書の最初に書いている言葉は「サボる才能はあるか?」である。プラザセレクトも仕事を極限まで減らし、それでも同等かそれ以上の成果が出るような仕組みを作ることを評価される会社だ。同じ成果なら一生懸命夜遅くまで仕事をしているよりは暇そうにしている人を高く評価している。だから業務時間内でも自分の任務を完遂しているならば、帰りたければ帰ればいいし、来たくなければ来なくていいという経営方針だ。これはとても自由でいい会社に聞こえるが、実際自立できていない人や自分の頭で考えることが苦手な人には最初は結構大変だという側面もある。だが自分の人生を楽しく生きるためには自分で好きなように自分の人生をコーディネイトするほうがいいと私は思う。その自由のための余力と時間確保のために、どれだけ楽をして成果を出すかというところが大事。よって当社の考え方に著者の考え方はよく似ていると感じた。エジソンの言葉が例にあった。「99%の努力と1%のひらめき」だから努力は大事という話だが本当の意味は違うらしい。「1%のひらめきがなければ。99%の努力は無駄になる」という現実的な言葉のようだ。たしかに勉強や研究を誰にも負けないくらいやっても、そもそも「光る球」を作れば生活が豊かになるぞというひらめきが最初になければ電球は完成しない。いくら勉強や研究という努力を積み重ねても不十分だ。ひらめきという目指すゴールがないのにできるはずがない。私は努力の定義が明確になっていないことが、日本人の努力が美徳という概念になってると思う。努力とは成果が出るようにすることだ。成果が出たからこそ今までの過程を周囲が努力と呼んでくれる。残念ながら成果が無ければそれは努力として認められない。そして意外と努力家の人は周りが思っているほど努力しているという自覚がない場合も多い。それは自分でそれを受け入れ楽しんでいるからだ。無駄なことはやめて、本質的に成果が出ることに集中するようにしよう。

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