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読書レポート_松田/No7 『イシューからはじめよ – 知的生産の「シンプルな本質」』


『イシューからはじめよ – 知的生産の「シンプルな本質」』 著 安宅和人

「知的生産の本質って何だろう?」という問いについて、10年間外資系経営コンサルタントとして働き、その後科学者として脳神経科学の研究を行ってきた著者がたどり着いた答えが、「イシュー」である。イシューとは解決すべき課題や問題のことである。生産性の高い仕事をするために人々は様々な手法やライフハックを試行錯誤しながら探っているが、生産性の高い仕事つまりバリューのある仕事に本当に大事なのは、イシューの見極めの工程であると本書では語られている。「何に答えを出すべきなのか」についてじっくり考えることこそが生産性の高い仕事をするのに必要となる第一歩であるということだ。やってみないとわからないということもあるが、本書では逆で、今から答えを出そうとしている問題の必要性を考えて取捨選択をするということを言っている。がむしゃらに根性で答えを探し出すことを「犬の道」と呼び、そうではない近道を進むことを推奨している。しかし、これだけ言われるとそれができるのなら最初からそうしていると言いたくなるが、本書の後半では具体的なイシューの見極め方についてかなり詳細に解説されているからさすが科学者だなと感じた。世の中に情報が膨大にあふれていて、状況の移り変わりが激しい現代社会において「犬の道」で課題に取り組んでいたら答えを出すときには周りの状況が変化していることもあり得る。著者が述べているが、「情報を入れすぎるとバカになる」というように隅から隅まで情報を漁るような調べ方では自分から答えを遠ざけてしまうかもしれない。解の質だけでなく、解の必要性にもしっかり目を向けて課題解決に取り組んでいきたい。

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