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読書レポート_松田/No6


『妄想する頭 思考する手」 著 暦本純一

スマートフォンの画面を2本の指で広げるようにタッチすると表示されている画像が拡大される。この技術を発明したのがこの本の著者であり、「発明」を仕事とする人のメンタリティや仕事観について深く知ることができる一冊となっている。発明家というと自分とは遠い存在のようなイメージが強いのだが、発明の源泉は誰もが持っている妄想なのだと言われると一気に身近に思えてくる。天才が一瞬のひらめきで発明をするのではなく、妄想を次々と形にして失敗作を積み上げていくうちに新たなアイデアが浮かび、誰もが思いつかなった発明へとつながっていく。手を動かさない限りひらめきも生まれないということだ。妄想が妄想で終わらないように手を動かして思考して、次のステップに進むことができれば新しい課題に気づくことができる。その積み重ねでアイデアのレベルが上がっていく。これは「発明」に限らずすべての仕事に共通する基本と言ってもいいだろう。情報が目まぐるしい速度で入れ替わり社会がどんどん形を変えていく現代社会において、新しいアイデアを必要としない仕事など無い。ルーティンワークなどの「作業的仕事」の合間に「創造的仕事」の時間をとり、妄想を具現化する時間を作る。プラザセレクトグループは経営理念で「創造的仕事」の大事さを明確にし、新しいアイデアを大切にする会社である。この本の著者は現代の日本がイノベーションを生む土壌が育たない社会になってきていることを憂いている。今自分の置かれている環境はそういった不自由さは全くないのに、自ら既存の概念の殻にこもってしまっていてはもったいない。雲の上の存在だと思っていた「発明家」の仕事も「とりあえず手を動かす」というのが基本だと知り、自分の仕事とも身近に結びついていることに気づき、刺激になった。

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