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読書レポート_藤井/No28


『人に頼む技術』ハイディ・グラント 著

誰かに何かを頼んだりお願いすることに、多くの人が抵抗を感じていると思います。私もその一人です。ただ世の中には上手に人に頼み事をすることもおり、本書ではそういう人たちと何が違うのか、まったどうして頼むことに抵抗を覚えるのか?という視点から解決策と具体例を紹介してくれています。人は誰かに頼み事をするときにまず、「断られたらどうしよう」という防衛本能が働くと言われています。「断られたら嫌だ」「恥ずかしい」「嫌な顔をされたら傷つく」というマイナスな思考が働き、そのマイナス思考から自分を守るために「頼みたくない」と思ってしまうのです。これらは過去に断られた経験からくる感情です。読んでいて自分にも当てはまる部分があるなあと感じました。ではなぜ断られるのか?本書での答えはひとつ、頼み方が悪い。というものです。「それだけ?」と読んでいて思いましたが、確かに私自身も生活していて誰かに頼み事をされる場面があります。その時に「嫌だな」と感じる場合もあれば、何も感じずに「いいよ」と引き受ける場面もあります。その違いはやはり頼み方だと思うのです。当たり前のように思いましたが、相手に不快な思いをさせる言葉遣いはしない。とか、すべてを頼むのではなく「この業務の○○の部分だけ助けて欲しい」という風に部分的に頼む。など。その上で、仕事というものは一人でできる範囲に限りがあることも自覚しないといけないということでした。日々業務をしながら自分でも感じることですが、絶対に自分ひとりできる仕事は限られてきます。複数人が協力し合って出来上がるのがほとんどなので、「誰かに頼むことは悪ではない」という真実を自分で認めることも大切だと学びました。頼み方やタイミングを計ることは当然ですが、不必要に恐縮する必要もないのだと、フラットな考えをもって今後の業務に生かしていきます。

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