読書レポート_三谷/No48
- 2021年01月31日
- 三谷 浩之
『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』 越川慎司 著
トップクラスに参考になった本。1万8000人のビジネスマンの働き方を調査して優秀と呼ばれる人がどんな行動をしているのかを分析した本。しかも企業ごとにトップ5%のパフォーマンスを出している社員と残りの95%の社員との行動特性を比較して成果を出す人材の仕事の仕方の再現性の高いルールを見つけだそうとしている。調査方法はヒアリングだけでなくメールの内容を分析したり日常をカメラ・ICレコーダー・センサーなどの現代機材を用いて事細かく調査している。日常業務の何気ない行動や考え方までを拾い集めてうまくまとめているので、うまくやっている人が何をやっているかということが科学的に分析されていてとても参考になる。一般的に何か教える時に、優秀な人がやっていることを真似ろとか、本人がアドバイスしてもこんなことをしているよという抽象的な内容に留まってしまう。ピンポイントで何をどうすればうまくいっているかは高い成果を上げている本人でもわからないことが多い。だからそれを教えるのは至難の業だ。それは長年マネジメントに携わってきているのでよくわかる。しかし本書のように実際に高いパフォーマンスを出している人の行動と思考を科学的に分析し、残り95%との違いはこれだと明確になっていればやるべきことが具体的になる。見れば誰にでもできるとても普通のことを確実にやっている人が優秀なのだとよくわかる。当社で社員にやらせている振り返りをする時間もトップ5%社員は日常で普通にやっているらしい。他にも少し事例を出せば、伝えることより伝わることを重視・目的を理解して動く・失敗を悪いことと思わずむしろ学びがあることに目を向ける・意識を変えるではなく行動を変える・スタートが早い・完璧を目指さない・メールの返信が早い・雑談、笑顔が多いなど。当社が仕組みとして取り組んでいる内容や私が大事にしてきたビジネスのやり方が良い事例でたくさん上がっていたので安心した。この事実データは仕事のやり方説明書として使える。折に触れて会社経営に生かす本と出会えた。