読書レポート_三谷/No44
- 2020年09月30日
- 三谷 浩之
『あえて数字からおりる働き方』 尾原和啓 著
私も社内でよく言っているが企業の寿命よりも個人が働く時間のほうが長くなっている。だから1社で一生勤め続ける年功序列終身雇用の時代はもう終わった。会社に所属していればなんとなかなる時代ではない。独立を促しているわけではなく、会社に所属することさえもが難しい時代となる。そのような時代に必要なことは個人としてどこでもなんとかなる実力を身に着けておくこと。意味合いが若干違うが本書にもそれに近いことが冒頭に書かれている。そしてその何とかなる実力の一つに個人の信頼を蓄積していることが大切だと著者は述べている。肩書ではなくあなたと仕事をする意味が問われる時代だと。誰かにとって自分があの人は信用できるとかあの人が好きだからという存在にならなくてはならない。それがあれば100円のコーヒーを飲む時にでも、あの人と一緒なら500円払ってもいいとなる。それが誰かにとっての何者かになるということ。SNSで場所を超えて繋がることができてリアルとネットの中であらゆる関係が広がっていく時代。全員に好まれることは不可能でも、誰かにとっての特別な存在に自分がなれるように日々自己成長することは必要だと思う。著者は最低でも1日20人に向けてそれぞれ違う視点やコメントをつけてニュースサイトなどの記事を送っているそうだ。あの人にはこれが役立つかな、あの人はこれ興味があるそうだなという目線で情報を探す時間を朝の1時間でやっている。これは最終的に自分の情報収集力やコメント力が上がることになると著者は言っているがそれでもこれを続けることはすごい。当然相手からの返信がある数はわずからしいが、それもまたあの人はこれにはピンとこなかったんだなという情報になると捉えている。こういうことを続けることで少しずつ、誰かにとって著者は信頼できる人であり困ったときに相談できる人になっていく。まずは相手にギブすることが大事だということを強くおっしゃっているが見習うことだ。毎日仮に1%ずつ個人の力を上げると年間で40倍以上の力を得られる計算になる。逆に毎日1%ずつ堕落すれば40分の1。これが個人の信用信頼となる。会社としてだけでなく個人の価値を上げていくためにはどうすればよいかという視点をもって生きることが大切な時代になったと改めて考えさせれた一冊だった。