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読書レポート_三谷/No42


『ぜんぶ、すてれば』 中野善壽 著

著者は75歳。まだ小さかった頃の百貨店伊勢丹で新規事業を立ち上げなどをしてきた経歴があり、その後は大規模な経営改革を行い大企業を復活させたりした経営者。現在は経営からは退き財団にて社会に貢献している。失礼ながら高齢のため考え方は今の時代に合わないいわゆる昭和的な思想なのかと思いきや、逆にこの令和の時代の時流最先端の考え方をしていてそれを50年以上前から実践してきていることがすごい。本社の題名にもあるように、無駄なものは捨てて、何も持たない生き方を実践することで今日を大切に生きていらっしゃる。楽しみながら生きるヒントがたくさん詰まった本だ。本書の冒頭にもあるが「今日がすべて」という考えのもと「今に集中する」生き方を大切にされている。明日のことは誰にもわからないし、誰かを当てにしても仕方がない。将来を作るのは今の自分であるのだからこそ、今日の自分を妨げるものは全部捨てて颯爽と軽やかに歩いていこうとおっしゃっている。これができれば本当に素晴らしい人生になる。心も前向きだろう。先々の不安に怯えて今を精いっぱい生きて楽しむことを忘れてしまうことがある。これは忘れてはならない思想であり、実践できる強さを身につけなくてはいけないと私も思う。これらの考えで生き方、仕事のやり方、人との接し方など多く書かれているが、私は自分が社長という身のため社長として大切であることはこれだと書かれていることを記す。「すぐ決める。これが社長に求められる一番の仕事だと僕は思っています」おっしゃる通り。私も「はやく」決めることが何より大切と社内でも言っているし、それが私の大切な仕事だと思っている。このように倍近く離れたご年齢で成功された方が人生で培った大切なことと私が思う大切なことが同じであるということは心強く、自分は間違っていないと信じることができてよかった。これからも無駄なものを背負いすぎて苦しくならないように、颯爽と生きることを実践し、社長としてはすぐに決めるを大切に仕事と向き合っていく。

 

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