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読書レポート_三谷/No41


『大きな嘘の木の下で』 田中修治 著 メガネの製造販売をしているオンデーズの社長の本。少し前にはドラマ化もされた前著である破天荒フェニックスも読んで興味がある方だった。潰れかけの会社を買い取って復活させてオンデーズを世界展開している若手経営者。その方が経営の中で感じ、考えていることをまとめた本。多くの困難の中で会社をV字回復させて今の時代に合わせた経営をしている方なので考え方はとてもシンプルで自然である。当たり前に人が思うことを素直に受け止めて表も裏もなく、人として自然体で純粋に生きているのだと伝わってくる。お客様や社員にとって一番良い方法をやろうとするシンプルな考え方と、リスクをとってでも前向きな未来を信じて動く実行力が会社を大きくさせているのだろう。このような思考や精神力は同じ経営者としては最も参考になる。本書の中で興味深い点は本書の題名でもある「大きな嘘」ということ。嘘という表現をしているが、現実世界には綺麗ごとが前に出すぎて実際とは違うということはよくある。真偽は謎のまま正しいと刷り込まれているだけのことは本当に多い。この時代に、この日本で、ここでならそれを常識というのかもしれないし、過去の延長線上ではそれがよかったかもしれない。しかし未来もその話でうまくいくことを担保するとは限らない。だから過去の事例を素直に受け入れながらも、同時に自分の頭で真実を見つけ出し答えを出さなくてはいけない。幸福、お金、仕事、成功などのいろんな視点で著者の思う真実を書いているが、その中でもビジネスの点で共感できる点があったので記す。「出世とは人から必要とされているということだ。(中略)必要とされた結果、社長になれたに過ぎない。(中略)子供や社員に出世しなさいと言うことは正確にはあなたも人から必要とされる人になれるよう努力しなさいと言うことだ」この一文は重いと思う。私もよく同じことを言う。会社は市場から必要とされなければ会社は潰れる、必要とされている商品サービスを提供していればお客様は買っていただけるから潰れない。個人では出世を望む望まない関係なく、力があれば周りがその人を頼り慕うから勝手にその地位になってしまう、だから本人の意思に関係なく出世する人は出世する。会社で言えば利益、個人で言えば年収は社会から今年一年であなたはこれだけ周囲の人から望まれましたよということを数値化したもの。だから必要とされて誰かの役に立つことをしていれば年収は増える、減った時はこの一年では社会からの評価が昨年のあなたのパフォーマンスより下がったということ。私は社会に出てからもこのように自分を捉えてきた。自己責任論で物事を捉え、自分の目で真実を見抜き、自分の頭で答えを出すことは重要なことである。
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