次のページの見出し

読書レポート_三谷/No16


『ラクして速いが一番すごい』 松本利明 著

この本のサブタイトルに、「1秒でも早く終わらせる」とあります。私も社員によく言うフレーズです。「1秒でも早く終わる方法で」とか「1秒でも早く始めろ」とか。現実1秒でどうこうは無いのですが、その感覚が必要ですしそのわずかな差が積もりに積もって大きな差となっていくことは言うまでもありません。ただその一瞬ではそれが見えず、実感がないだけで、数ヵ月、1年、5年と経てば大きな差が開いていることは間違いありません。
生産性を向上させようとしている当社ではスピードや仕事の優先順位、改善活動は日常で言葉として発せられ実行されています。そんな中で私はこの本を読んで明確に概念が変わりました。生産性を上げようとする場合どうしても自分の業務を中心に考えてしまいます。しかし本書では、「個人の作業スピードを上げても生産性は上がらない」とあります。自分の作業時間よりも、上司、関係部署、取引先など他者とのやりとりで生産性が決まってしまうと明言しているのです。確かにその通り。こちらの都合より相手の都合に動きを優先される場合はよくあります。「ちょっといいですか?」という声がかかり自分のペースやスケジュールが乱れたり、「あの報告まだか」と報告内容によって動きが変わることがあったり、「突然の電話や来客」によってもやるべき優先順位が入れ替わったりしてしまいます。「緊急度」と「重要度」の決定権は必ずしも自分にはないのです。私は立場的にも自分のペースで社員に「あの件だけど・・」と声をかけますが、社員からすると優先順位を乱されたり、集中力を切らされることもあるでしょう。逆に私も現場からの報告によって動きを変えようとしている場合は、その報告が正しくスピーディに届かなければスタートが遅れたり判断を誤ってしまう場合もあります。
このように外部環境をコントロールできなければ生産性は上がりません。まずは自分以外の人が絡むことから優先的に業務を終わらせて、自分の遅さが原因となり後工程の人にも迷惑をかけず、自分自身もペースを乱されないように1秒でも早く成果を出せる状態を会社内に根付かせる必要があると学びました。

© 2024 PLAZA SELECT LTD.