読書レポート_三谷/No57
- 2021年10月31日
- 三谷 浩之
『頑張らせない経営』 佐治邦彦 著
当社の根本的な発想にとても似通っているタイトルなので手に取った。本質的な意味での「頑張らない」で成果が出る状態を作ることが経営者の手腕だと私は思っている。そう思い経営してきて起業から今までを自己採点するならばできているところは突き抜けてできてきて、できないないところはできていないという風にまだまだ業務によって大きな差がある状態だと認識している。ただ間違いなく今までの私のビジネス経験の比べると、より少ない時間で楽に成果を出して成長してきた会社。だからこのままこの考えのもとで社内に隅々までこの発想で業務を仕組み化していくつもりだ。本書にはそのような考えの私にとって気づきが多かった。本書の一節に「社員を頑張らせないということは社員に楽をさせ甘やかすということではありません。社員が外圧的なモチベーション(上司からの圧力、売上、生活のため)によって頑張るのではなく、内発的モチベーション(自分の成長のため、大好きなお客様のため、仕事が楽しい)で働くようになる、そんな仕組みづくりが重要なのです。」とある。私の理想と同じだ。だがこれを実現するのが難しい。会社に仕組みや教育だけでなく個人個人の性格や思想の差も影響してくる。言葉では簡単だがその環境を作り、理解を促し、方針に則って働いてもらいたいと考える経営者と、それを受け止めて実際に業務をする社員。どちらにも前向き思考と実力が必要だ。その属人性をなるべく排除して円滑に業務ができるようにするのが仕組みの重要なところだ。また「方針=基準が明確になっていれば、社員は安心して働くことができます。何をすべきかはもちろんのこと、何をしないかについても的確に判断することができ、「ムリ」「ムラ」「ムダ」がなくなることで生産性が大きく向上するというわけです。」ともある。当社はかなり方針がしっかりしている会社ではあると思う。この方針がしっかりしているかどうかで、上述した仕組み作りとその仕組みの運用の精度は変わるだろう。方針が明確でも仕組みがないと実際の業務がまわらない。仕組みがあっても方針が無い、もしくはその理解度が低い状態ならば仕組みの良さやその仕組みの最大限の効果を発揮できなくなる。だから経営者の私からすれば何を目指し何のためにやっているかの目的から落とし込んだやることやらないことを明確な方針として打ち出し、それを社員に本質的に理解してもらうことが重要だ。その後の仕組み作りは社員と一緒に業務に近いところでやればいい。そういう意味で根っこが重要だと深く感じる。社内で良く使うシンプルというワード。方針も考え方も業務も仕組みも全てをシンプルに。ここをもう一段掘り下げて社員が無理して頑張らなくても楽しく働き成果も出る会社を目指し作っていく。