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読書レポート_三谷/No51


『人に困らない経営』 森本尚孝 著

創業70年の三和建設の4代目社長の著書。100年企業に向けて今なお成長している。その根っこが理念経営。それを実際に浸透させることで社員一丸となり素晴らしい会社に育てている。外部評価でも「働きがいのある会社」ランキングで5年連続受賞しているそうだ。「つくるひとをつくる」という経営理念をもとに全ての仕事や社内制度の価値基準が決まっていて一貫しているところが素晴らしい。誇りある仕事を社員にしてもらいたいという経営者の想いが見事に浸透して業績結果にも出ているようだ。本書の最後あたりにも『改めて理念経営とは何かと問われたら、「その会社らしさ」を貫くこと』とおっしゃられている。そして特に建設業は人が中心となる仕事であることにも注目し、だからこそ人に関してこだわることが本業の本質を追求するともおっしゃっている。社内制度などユニークなものがたくさんあるがそれらが理念から落ちてきて作られている点では、比べるのはおこがましいが当社も同じである。ただそれを多くの社員に長い年月をかけて浸透させ続けているところがすごい。当社の場合はまだ目が行き届く範囲の数の社員しかいないし創業丸6年。しかも創業者である私が率いているのだから血が濃い。ずっと貫くことの偉大さを感じる。理念を念頭に置いた経営は時々によって判断が難しい。それを軸に会社を成長させていくことに大変さを感じることもある。短期的に考えるともっと楽な方法はいくらでもあるからだ。理念経営はある意味で社長の行動を制約する。これは本書にも書かれているので同じことを思うのだと思った。私は長期的に物事を考えるという点を優先することを自身で戒めている。長い何月代を受け継ぎ、しかも理念浸透で社員が成長しながら働いているという三和建設さんのような会社があることは後発でそのような経営をしようとしている私には励みになる。100年続く企業を創ると決めたからには先にうまくできている企業から学びながら実現することにのみ集中する。

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