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読書レポート_大瀧/No17


『コンビニ人間』著 村田紗耶香

身近なコンビニをテーマにした普通でない主人公・恵子の心模様や行動を表した著書。普通でないということが、こんなに生きにくい世の中なのかと感じた一冊でした。恵子は周りとは違った独特の感性を持っていて、なかなか周囲に馴染めない少女。成長する過程で周りにあわせて自分を押し殺して生きてきたが、18の時に始めたコンビニのアルバイトが型にはまり、まさにコンビニを中心に全てを考えるコンビニ人間となった。完璧なマニュアルがあり、それをこなすことが普通、つまりコンビニという空間こそが自分を普通にしてくれるものだと。ある種、自分の中で天職であるし、それに全てを捧げることが出来るくらいなので幸せかもしれない。但し周りは普通でない人は不気味がり排除する。それも分かっていて、普通でないことを認識している恵子が普通であることを取り繕うとする描写もあり、その心中はかなり複雑であると思うが、最終、自分はコンビニ人間であるいうことを再認識する。周りからみてそれが普通かどうかといえば普通ではないとは思うが、個人的には自分の居場所を自分で認識出来ることは幸せだと思う。『普通』とは何か、ということを考えさせられる1冊であった。

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