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読書レポート_佐々木/No.19


『ファーストラヴ』 島本理生著

純粋そうなタイトルとは逆に殺人事件や色々な社会問題を含んだ本であり、内容としては重かったが、どこか次が気になり読み進めてしまう小説であった。あらすじとしては主人公が臨床心理士として、事件を起こした被告の本を書くというところから始まる。特に印象的なのは当事者の環菜という女の子が「理由はそちらで探してください」と話したところだ。大抵事件を起こし捕まった場合には言い訳や無実を訴える筋書きが多いと思うが、この女の子は自分がした事であっても他人事のように言っている。また印象もおとなしい感じで殺人事件を起こすと思えないのも、またなぜこんな事件が起きたのか?と気になるストーリーも魅力的な小説の要因であるだろう。それだけではなく裁判の場面でも実際に傍聴席にいるかのような息を呑む描写もまた面白い。なぜこのタイトルなのか、読み進めていき分かった時に感動があるので、読んでみて欲しい作品であった。

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