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読書レポート_三谷/No28


『最高の体調』 鈴木祐 著

社長業をしている中で常に高いパフォーマンスを出すためにも健康や体調について理論的に学ぼうという意識が最近強くなってきている中で本書と出会ったので読んでみた。人間の体がどういうメカニズムで好不調の波をたどっているのかを知っていることは自分の体調管理に大きいプラス要素となる。答えとしては現代人は「炎症」と「不安」で不調を招くらしい。そもそも狩猟民族だった動物の人間に備わっているものが現代ではミスマッチをおこしていてそれが不調の原因になるようだ。要するに人間の動物としてのDNA、遺伝子と現代社会がうまく合っていないのだ。経済、技術の発展が急速過ぎ、便利さを手に入れた人間はその代償として古代の人間にはなかった不調を副作用として手にしたのだろう。古代と現代のミスマッチを3つのパターンでとらえているので記しておく。

①多すぎる  ⇒ カロリー 
そもそも古代人類はカロリーが足りない環境に適応するために進化してきたので、我々の脳と体は高カロリーを処理するような設計ではないらしい。よって余ったエネルギーが皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられる。内臓脂肪は人体の異物。それらが体内で炎症をおこし体調不良を呼び起こすだけでなく病気を誘発するのだそうだ。

②少なすぎる ⇒ 睡眠
日本人の睡眠時間は1960年の調査から比較しても現在は1時間ほど短くなっているのは驚きだ。狩猟民族として動いていた古代人類には「不眠」「寝不足」という言葉自体がなかったらしい。調査では現代人の睡眠時間は7~9時間がベターのようでこれ以上多くても少なくても体内の炎症が進むというデータがあるようだ。 

③新しすぎる ⇒ トランス脂肪酸と孤独
トランス脂肪酸とは人口の油。パンや揚げ物に使われていることが多く、そう摂取カロリーの1%をトランス脂肪酸に入れ替えただけで悪玉コレステロールの数値が激増するらしい。トランス脂肪酸は肝臓の働きを乱すようで、ハーバード大学の研究では摂取量が多い人ほど炎症レベルが高いらしい。
そして孤独。孤独感の強い人は早期死亡率が26%高まり、社会から孤独が長引けば32%までアップする。古代から人類はグループで動いてきた動物。私たちの脳は人間関係が希薄な環境に対応するシステムが備わっていないらしい。コミュニティが小さくなり、消えつつある現代で「孤独」は生存を脅かすものと認識されてきている。

要するに炎症反応とは、体が何らかのダメージを受けた時に発生する人体に備わった防御システム。人体を守るためのはずのシステムが、常に過剰反応し暴走しすぎて体調を崩すらしい。例えばトランス脂肪酸でパニックになった肝臓、孤独を感じ落ち着きを無くした脳。それらに対抗しようと免疫システムが過剰に働くことで全身に炎症反応が起きてしまう。その激しい炎症作用が常に繰り広げられるせいで血管や細胞などの周辺組織にまでダメージを与え全身の機能低下に繋がる。

これらのメカニズムを知っているだけでも健康への配慮が変わる。食べ物の選択や、睡眠の仕方、心の持ち方や人との接し方。そんなことがなんとなくダルイという感覚と繋がっていたのかということもあると思う。しかし全ては繋がっている。自分の生活を見直す良い機会となった。

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